2013年10月21日 (月)

かみあわない会話

小3の息子が、肩を落としている。
どうしたのかと訊くと、録画していた番組を、間違えて消してしまったんだという。
どんな番組だとたずねると、

「ロードカナロアが勝ったスプリンターズステークス。」

はあ?
競馬?
しかも、スプリンターズステークスなんて、別に特別なレースじゃないだろう。ロードカナリアなんて馬も知らないし。

「カナリアじゃないよ。ロードカナロア。スプリンターズステークスはG1だよ、G1!」

ああ、そりゃ知ってるけど、ただそれだけだろ。
そんなに大事か。

「だって、絶対王者だよ。2年連続で優勝の。しかも国内最後のレースだったんだよ。」

絶対王者か何か知らないが、来年のスプリンターズステークスでも、優勝馬が出るわけだろ。
それが、次の王者ってことで別に問題ないだろう。
もし、来年も走ったら、その馬に負けてたかもしれないわけだ。

「なに言ってるの、さっき言ったでしょ。ロードカナロアはもう国内では走らないの。次は香港のレースに出るの。もう見られないんだよ。」

何となく、君の言ってることはわかったが、それほど肩を落とすほどのことなのかが、どうしても理解できない。

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2013年7月 7日 (日)

興味があるのね

天気のいい休日に、小5の娘と小3の息子の3人で競馬場を訪れた。
競馬に興味を持ち始めた小3の息子に、生で競馬を見せてやろうと思ったからだ。

スタンドの上から1レースか2レース、実際に競走馬が走るところを見せてやって、後はパドックをちょこっと見せてやれば気が済むだろう。
こっちも馬券など買うつもりはない。
最後に内馬場にある遊具で遊ばせてる間に、ゆっくりと冷たい生ビールを堪能しようという優雅な計画を立てていた。

ところが、JR府中本町の駅から東京競馬場に向かう通路で、異変が起きた。
通路の壁に飾ってある歴代の競走馬のポスターに、小3の息子が異常反応を示したのである。
キングカメハメハだ、トウカイテイオーだ、スペシャルウィークだ、アパパネだ、とその都度ポスターの前に立ち止まり、じっと眺めている。

なんで、歴代の有名な競走馬をこんなに知っているのだろう。
競走馬のポスターを食い入るように見つめている彼の横で、私は呆然としていた。
軽い気持ちで連れてきたつもりだったが、彼には至福のときに感じられているようだった。

府中本町の駅から競馬場まで、通常7~8分のところを15分くらいかけて歩いていたのは、どうみても我々の家族だけだったようだ。

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2013年6月29日 (土)

昼寝のすきに

日曜日の昼飯の後は、格好のお昼寝タイムだ。
こどもたちがまだ小さかった頃は、一緒に昼寝をしていたのだが、今や小学生になったこどもたちは、昼寝などしない。
ところが親の私のほうが、未だに昼寝の習慣が抜けないのである。

軽く麦酒を飲みながらの昼飯を済ませると、心地よい眠気が襲ってくる。
文庫本を携え、布団にもぐり込むと、文庫本を開く間もなく、あっという間に眠りに落ちる。

私がたっぷりと昼寝をしている間、小3の息子はずっとテレビを観ている。
彼はどうやら、競馬中継を好んで観ているようなのだ。
まるで、おっさんの日曜日の過ごし方である。

馬券を買うことはできないが、気に入った馬を応援しながら、観ているのだという。
なかでも、特に好きなのが、ゴールドシップだそうだ。
春の天皇賞で5着に沈んだときは、呆然としていたほどだ。

だから、ゴールドシップが宝塚記念で1着になった時の喜びようといったらなかった。
ダービーでは一番人気のキズナを応援していて、見事に1着になったので、これもファンになったらしい。

そこまで競馬が好きなら、実際に競馬場に連れて行ってやろうか。
競馬も生で見ると、良いぞ。

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2012年3月 7日 (水)

男気

とんねるずの番組企画で、【男気じゃんけん】というのがある。
芸能人7〜8人で地方ロケに出かけ、その土地にある道の駅などに立ち寄って、不人気商品を大人買いすることにより、地方経済の活性化に貢献しようという企画だ。

商品をみんなで金を出しあって、買うという企画ではない。
じゃんけんで勝った者が全額払って、男気を見せるのというものだ。
もちろん、勝ってしまうと身銭を切らなければならないので、本音は勝ちたくない。
だが、男気があるのだと思わせたいわけで、負けると悔しがり、勝つと大喜びする。
ふりをする。

もし、じゃんけん必勝法が存在するならば、その逆を出せばいいことになる。
しかし、世の中そんなに甘くはない。

ところが必勝法があった。
小1の息子が身につけていたのだ。
彼は、ある友達にいつもじゃんけんで勝つという。
理由をたずねた。

「だって、あいつさあ、いつも最初はパー出すから」

自分は、チョキを出すから負けないのだという。
なかなか鋭い観察力と言えよう。

ただこの場合、相手の弱みにつけこんでいるので、男気を見せたとは言えぬわけだが。

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2012年2月 7日 (火)

壮大なプロジェクト

「ああ、もういい。そのくらいでいいよ。」

そうかい?
いやあ、こんだけ積んだら、あと一段積みたいじゃん。
それになぜ、君の指図を受けなきゃいけないんだよ。
だいたい、もとはと言えば、お父さんが始めた積み木に、後から君が加勢してきただけだよな。

この屋内遊戯施設は、体を使って遊ぶトランポリンのようなもののほかに、積み木やお絵かきなど静かに遊べる道具もそろっているよな。
君と君の姉が、この施設で遊びたいと言ったので連れてきてあげたんだけど、お父さんは、手持ち無沙汰だったんだよ。
君たちがトランポリンのようなもので遊んでいる間、ひまつぶしに積み木で遊んでみただけだよ。

積み木といっても、いろんな形の積み木があるわけではなく、一辺4cmくらいの立方体の積み木だけが無尽蔵に置かれているだけなんだな。
お父さんは少し考えてから、積み木を積み始めたよ。
最初は、床に並べ始めただけにしか見えなかっただろうけど。
そのならべ方だけどな、びっしりと敷き詰めるのではなく、市松模様というのか正方形を交互に並べ、上から見るとチェック柄のようになるものにしたよ。
これを縦に20個、横に20個くらい並べた後、次はその上にやはり市松模様にのせていったよ。
そのとき、下の積み木の上にぴったり重ね合わせるのではなく、縦も横も半分ずつずらしてのせていったな。

すると、積み上がったときに、ピラミッドみたいになると想像したからさ。
私がこの壮大なプロジェクトを開始したときは、まだ周囲に誰もいなかった。
けれど、段々と完成に近づくにつれ、周囲に人が集まってきて、
「あっ、なんかすごい。」
となんていう声も聞かれるようになったよな。
君(小1の息子)がこの壮大なプロジェクトに参加したのも、この頃だった。

あと一段ぐらいは積めそうだと踏んだんだ。
完成したら、記念に写真でも撮ろう。
と思ったその瞬間、私の手がすべったのか、注目の力作がガラガラと音をたてて崩れてしまった。

「だから言ったじゃん。もういい、そのくらいでいいよって。なんで、言うこと聞かないんだよ。」

いくら君の制止を振り切って積み続けたとはいえ、そんなふうに怒ることはないだろう。
まるで私が君の息子であるかのように叱ったよな。

こういうとき、息子としては、ふてくされてやればいいのかい。

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2012年1月 4日 (水)

おみくじ

初詣の楽しみのひとつに、おみくじがある。
普段、占いなどには全く興味はないが、正月のおみくじは別だ。

毎年、条件反射的におみくじ箱の前で、財布の中の百円玉を探している。
私と同じく、子どもたちもおみくじは楽しみらしい。

「凶じゃなかったら、何でもいい。こきちでも、なかきちでも、おおきちでも。」

どうやらふざけているらしいが、あまり面白くない。
去年は偶然にも、家族四人全員、大吉だった。
珍しいこともあるものだが、正月の大盤振る舞いと考えれば、あり得ることかもしれない。

そして驚くべきことに、今年も家族四人全員同じ。
四人とも末吉だったのである。
小1の息子に、これは何と読むのかと聞かれたので、「まつきち」だと答えておいた。

それにしても、毎年家族四人全員同じ結果とは、何ということだ。
来年からは、代表でひとりだけ引くようにするか。

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2011年9月19日 (月)

ごめんねじゃ、すまねえ

子どもたちは、成長したのだろう。
体力がついたとも言えるかもしれない。

ついこの間までは、休日には、彼らといっしょに昼寝をするものと決まっていた。
しかし、ここのところ彼らは、昼寝をしなくなった。
一方で、昼寝の習慣が身についてしまった私は、休日の昼ごはんを終えると、急速に眠くなる。
いっしょに昼寝をしようと持ちかけても、同意が得られない。

仕方なく一人で布団にもぐり込み、いい心持ちで眠っていると、突然、子どもたちに起こされる。
おやつの時間だから、何か食べたいという。
眠い目をこすりながら、彼らのおやつを用意し、完全にさめていない眠気とともに、ソファーで軽く目を閉じると、緊迫感を帯びた息子の声がする。

「ごめんねじゃ、すまねえんだよ。」

な、なんだ?
小1の息子が凄んでいるぞ。
ひとりごとにしては、ずいぶんと物騒だな。
だが、謎はすぐ解けた。

彼の手には、「ごめんね」と書かれたチューイングガムの「はずれ」が握られていたのだった。
当たれば、もう一個もらえるという、くじつきのガムだ。

それにしても、「はずれ」を「ごめんね」とは少々まぎらわしい。

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2011年9月 5日 (月)

トランプ

「ばばぬき」「しちならべ」「神経衰弱」
小1の息子ができるトランプの種目だ。
覚えたての彼は、トランプがやりたくて仕方がない。
私とやろうというのだが、いずれの種目も二人でやるのは気乗りがしない。
そこで、トランプクイズに切り替えてみた。

「えー、それでは問題です。トランプは、エースからキングまでで何枚あるでしょう。」
「13まい!」
「正解です。じゃあ第2問。トランプのマークは全部で……。」
「4つ!」
「ですが、では、トランプは全部で何枚あるでしょう。」

問題は、最後まで聞かないといかんぞ。
だがこれは、少々難しかったかな。
ヒントでも出してやるか、と思った瞬間、

「52まい!」

おぬし、できるな。ようし、それなら難易度アップといこう。
これでどうだ。

「それでは最後の問題です。52枚を二人で半分ずつに分けると何枚でしょう。」

さすがに難しかったらしい。
首をかしげている。
そこで、ヒントをだす。
50枚だとどうなるかと聞くと、25枚だと答えた。
ほほう、やるなあ。。
ならば答えは、出たも同然。
52枚だと何枚だ?

「となりだと思うけど、どっちのとなりかがわからない。」

へえ、そこで悩むとは思わなかった。

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2011年7月28日 (木)

後だし

仕事帰りの満員電車に揺られながら、今日も1日よく働いたものだと、自分をほめてやる。
家に着き、玄関を開けるとここで、今日の疲れが一気に吹き出る。
しかし、ここで気を緩めてはならない。
まだ、やるべき事が残っている。

疲れと強烈な空腹感を感じつつ、本日の最終の仕事にとりかかる。
それは、皿洗い。
洗い物は、もともと苦にならないし、夏場は涼しくなるのでさらにいい。
ただ、夕飯後にやる気にはなれないので、疲れと空腹に耐えながら、夕飯前にせっせと洗い物を片付ける。
これが終われば、ビールを飲みながら、ゆっくりできるのだ。
それを楽しみに、頑張る。

今は夏休みで給食がないので、学童クラブに通う二人の子どもたちのお弁当箱と、大人のお弁当箱もあり、通常期よりも洗い物の量は多い。
それでも、どうにかこうにか、片付け終わり、お楽しみのビールタイムの到来だ。

ホッとひと息ついたのも束の間、小1の息子が何やら手に持って、俺の背後に立つ。
なんと彼の手には、まだ洗っていない彼のお弁当箱がしっかり握られていた。

おいこら。
はよう、弁当箱出さんかい、われい。
ビールの登場を待ってやまない、この唾液の処理をどうしてくれるんや。

じゃんけんでも、そうやろ。
後だしは、無しやで。

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