オトナになりたくて
少しでも早く、オトナになりたかった。
オトナになれば、酒が飲めるから。
10代の頃は、よくそんなことを考えていた。
なぜ、10代の頃に酒を飲みたいと思ったか。
それは単純に、酔っ払ってみたいという思いがあったからだ。
酔っ払うと気分が高揚するとか、フラフラするとか、嫌なことが忘れられるとか、オトナから聞いた話や書物からの知識で、頭でっかちになっていた。
しかし実際に飲んでみないと、自分は酒が飲める体質なのか、どのくらい飲めるものなのか、本当に酔っ払うということが素敵なことなのかどうなのか、判断できない。
だから、早くオトナになって酒を飲みたいと、10代の頃は考えていた。
いま振り返ると、10代の頃は色々とストレスを抱えていたのだと思う。
勉強の事、進学の事、将来の事、友人の事、コンプレックスや、うまくいかない事、その他多くの不安や悩みを抱えていた。
ましてや、自分の自由になる金もない。
思い起こせば、本当につらい時期だった。
実際にオトナになってからは、仕事のストレスはあるけれど、じゃあ10代の頃に戻りたいかと問われたら、私は御免こうむる。
絶対に戻りたくない。
それほど10代は、つらかった。
であるからして、10代の頃に抱えていた多大なストレスを酒によって解消したいと考えたとしても、無理はない。
酒を飲む以外に、この苦しみから逃れる手はないと思うのも仕方がなかった。
そして、オトナになって飲んだ酒は、期待どおりの効果を得られた。
それから30年以上、酒は私に寄り添ってくれていた。
ありがとう、そして、さようなら、お元気で。
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